Windows では、Vista から「伝統的モンゴル文字」の IME(文字入力システム)とそれに対応したフォント(MongolianBaiti.ttf)が標準で実装され、Unicode に準拠した文字コードに基づいて、伝統的モンゴル文字を入力し、表示、印刷することができるようになりました。満洲文字とトド文字は、Unicode のモンゴル文字のセット(1800-18AF)の中に含まれていますが、それらの IME はWindows に装備されていません。
ここでは、(株)アルマスが提供するフォント(MongolianUniversalWhite.ttf)を使った満洲文字とトド文字の変換システムを提供しています。
満洲文字変換システムは、ローマ字転写を満洲文字に変換するツールです。満洲文字をローマ字転写に変換することもできます。トド文字変換システムは、ローマ字転写をトド文字に変換するツールです。トド文字をローマ字転写に変換することもできます。ここで変換、表示される満洲文字とトド文字は、Unicode に準拠しています。変換した満洲文字とトド文字のテキストは、コピーして MSWord や MSExcel など他のソフトや文書でも利用することができます。
「満洲文字、トド文字変換システム」は、InternetExplorer、Firefox 等の Web ブラウザで使用します。
これを使用する際の推奨環境としては、OSはWindows7以降、ブラウザは Firefox またはInterneteExplorer9 以降です。
「満洲文字、トド文字変換システム」を使うためには、満洲文字、トド文字、およびそれらのローマ字転写を表示するためのフォントをパソコンにインストールする必要があります。
下記のフォントを自分のパソコンにインストールして下さい。
フォントのインストールの仕方は、次の通りです。
1.上のフォント名をクリックします。
2.下のように開いた窓で、「ファイルを開く(O)」のボタンをクリックします。
3.次のようなフォントの見本の窓が開いたら、「インストール」のボタンをクリックします。
フォントがインストールされます。
「~フォントは既にインストールされています。このフォントを置換しますか?」というメッセージが出た場合は、「いいえ」のボタンを押してインストールを停止します。
4.それぞれのフォントについて、同じようにインストールします。
これらのフォントは右のホームページにも登録されています。
⇒ Fontsのページ
Webブラウザで、下記のホームページを表示させます。
http://hkuri.cneas.tohoku.ac.jp/project2/
画面には左右に2つの枠が表示されています。
左側がローマ字転写の枠(Roman transcription)で、右側が満洲文字の枠です。
左側の枠内にカーソルを置いてキーを打つとローマ字転写が表示され、それとともに右側の枠内には満洲文字がリアルタイムで表示されます。
左側の枠内にローマ字転写をコピーして張り付けても、文字の変換が行われます。
一方、右側の枠内にカーソルを置いてキーを打つと、自動的に変換された満洲文字が表示され、それとともに左側の枠内にローマ字転写が表示されます。
それぞれの枠は、右下隅にカーソルを合わせてドラッグすると、枠の大きさを変えることができます。ローマ字転写は横書きなので横に長く、満洲文字は縦書きなので縦に長くすると見やすくなります。
満洲語のローマ字転写を満洲文字に変換してみます。
下の灰色の背景のテキストを使います。「Roman transcription」の枠の中に、ローマ字のテキストを入力すると、テキストは自動的に満洲語のローマ字転写表記となり、右側のボックスにはリアルタイムで満洲文字が表示されます。
ローマ字のテキストをコピーして、左側の枠内に貼り付けると、一挙に変換が行われます。
(和訳)昔の明の国の時代に
一つの「ロロ」という村があった。
この村に住んでいた一人のバルドゥ・バヤンという名の地主は
家の暮らし向きはこの上なく豊かで
使っている下僕、馬、ラバなどは数えきれない。
画面左上にメニューがあります。
メニューの青い字をクリックすると、それぞれのページが表示されます。
キーボードのキーと満洲文字、そのローマ字転写の関係は次の通りです。
満洲文字のローマ字転写方式は基本的に P. G. von Möllendorff, A Manchu Grammar, with analysed texts, American Presbyterian Mission Press, Shanghai, 1892. の方式によっていますが、外来語音の転写方式では、バッククォートの代わりに大文字を用いています。⇒ Möllendorff 方式ローマ字転写
画面右上の[Help]のボタンを押すと「Manchu配列」が表示され、キーボードのキーと、満洲文字、その文字コードの対応を見ることができます。
Webブラウザで、下記のホームページを表示させます。
http://hkuri.cneas.tohoku.ac.jp/project2/tools/romtotodo
トド文字変換システムの画面は満洲文字変換システムの画面と共通です。
画面には左右に2つの枠が表示されています。
左側がローマ字転写用の枠(Roman transcription)で、右側がトド文字用枠です。
左側の枠内にカーソルを置いてキーを打つとローマ字転写が表示され、それとともに右側の枠内にはトド文字がリアルタイムで表示されます。
左側の枠内にローマ字転写をコピーして張り付けても、文字の変換が行われます。
一方、右側の枠内にカーソルを置いてキーを打つと、自動的に変換されたトド文字が表示され、それとともに左側の枠内にローマ字転写が表示されます。
それぞれの枠は、右下隅にカーソルを合わせてドラッグすると、別々に枠の大きさを変えることができます。ローマ字転写は横書きなので横に長く、トド文字は縦書きなので縦に長くすると見やすくなります。
トド文字のローマ字転写をトド文字文字に変換してみます。
下の灰色の背景のテキストを使います。「Roman transcription」の枠の中に、ローマ字のテキストを入力すると、テキストはトド文字のローマ字転写となり、右側の枠内にはリアルタイムでトド文字が表示されます。
ローマ字を一字一字入力する代わりに、テキストをコピーして左側の枠内に貼り付けると、一挙に変換が行われます。
(和訳)チンギス・ハーンの時代にモンゴル式の管で蒸留する
酒が造られて広まったそうな。
そして酒を飲んだ人々は健全な理性から離れて、
様々な(悪い)姿が出るとともに、
一部の兵士たちもが酒を飲んで
戦列の勤めを疎かにしかねなくなったそうな。
キーボードのキーとトド文字、そのローマ字転写の関係は次の通りです。
トド文字のローマ字転写方式は基本的に オチルバト・サンボードルジ、橋本勝『オイラト・モンゴル文語概説』(大阪外国語大学、2005)に近いものです。⇒ 『オイラト・モンゴル文語概説』64-65頁
画面右上の[Help]のボタンを押すと、キーボードのキーと、トド文字の文字コードの対応を見ることができます。